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幸福が10あれば不幸も10ある法則を活用し、心のバランスと人生の調和を生み出す方法
この「自信がない人が「自己肯定感」を高める方法」は、12ステップからなっています。まだ、STEP1~STEP6までをお読みでない方は、ぜひ、こちらを先にご覧になってください。
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 1 — 自らの心を癒すことから始める
・過去の苦しみを成長の糧に変える第一歩
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 2 — 癒えていない過去を整理する
・過去の傷をリストアップし、癒しと自己理解のためのステップ
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 3 — 心を見つめるためのガイド
・自分を理解することで自己受容が深まる
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 4 — 幸せになるための心の法則を知る
・悪い種を刈り取ってよい種をまく「原因結果の法則」を活かし、幸せな未来を創る
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 5 — 許しとセルフコンパッション
・自分と他者を許し、心に自由と穏やかさを取り戻す方法
○ 自己肯定感を高める方法:STEP 6 — ネガティブな感情を手放す技術
・つらい感情や思いを解放し、軽やかに生きる方法を学ぶ
このプログラムの中でも、今回はとても大事なお話をさせていただきたいと思います。
「代償の法則」をご存じでしょうか。
これは、マイナス(負)なことが10あるとすると、プラス(正)も10あるという法則。つまり不幸と幸福は常に同量なのだという法則です。
ですから、たとえ一見嫌な出来事、苦しくつらい出来事や不幸があったとしても、その中に必ず明るい面、幸せな面、その人を成長させる面、知恵や教訓の面が隠れているのだということでもあります。
例えば、病気やウツになってしまい、同僚や後輩に先を越されてしまうということが起きたとします。でも、そうした苦しい経験を通して、心が練れて、様々な気づきを得たことで、人としての器が大きくなったり、人生観が変わり、その人にとって、本当に価値のある生き方や、自分らしい生き方を見つけることができるようになれるのだということです。
多くの偉人伝を読むと、偉人と呼ばれる人で、不幸な体験、苦難を経験していない人はいないというくらい、大変な状況の中で、大きな花を咲かせていった人たちばかりです。
最近では大谷選手もそうではないでしょうか。
超一流選手として、アメリカでも日本でも評価をされていますが、大谷選手がすべて順調にそうした結果を手に入れているかと言ったら、そうではないですね。
アメリカに行って、二刀流を目指しながら、すでに二度の手術を行っています。あるいは、結婚という最大の幸福を得たと思ったその直後に、シーズン早々、ビジネスパートナーから多大な金額を奪われていたという裏切りを経験している。
大谷選手は、たとえ、手術をしなくてはならず、一年間投げられなくなったとしても、信頼している人からの裏切りというショックな出来事があっても・・・
そうした苦難の中で、自分の心や体を見事にコントロールし、積極的に、今自分にできることに集中し、努力した結果、ホームランや盗塁など、打者として最高の活躍をし、チームに大きな貢献を果たしたので、彼に対する称賛や尊敬があるのだと思います。
たくさんのものを失ってもいるけれども、それに余りある形で、成功や成果に繋げている大谷選手の姿を見ていると、まさに代償の法則そのものが見事に現れ、代償の法則に適ったよりよい選択をされておられるのだなと思えます。
ですから、別の言い方をすれば、代償の法則とは、「何かを得ようとしたら、努力という代償、何かを捨てるという代償が必要だ」という考え方です。例えば、成功を収めるためには努力や時間を費やす必要があるように、人生のバランスは常に保たれています。
いかに多く捨てたかが、いかに多く成功するかということでもあり、払った代償と得られるものの価値は等しいということでもあります。
この法則を受け入れることで、私たちは現実をより客観的に捉えられるようになります。
A 代償の法則(正負の法則)で自分の人生を見てみると
代償の法則は、『幸福と不幸は同量で、バランスを保っている』という意味で『正負の法則』とも呼ばれています。喜びの裏には困難があり、困難を乗り越えた先には成長と幸福が待っています。この循環を理解することで、心が軽くなり、変化を受け入れる力が養われます。
さて、大事なのは、この「代償の法則」、「正負の法則」を自分の人生に照らし合わせて考えるとどうなるかです。
下の絵は、少女と老婆のだまし絵として有名な絵なので、ご覧になった方も多いと思います。
だまし絵は、直接この代償の法則を意図して書かれたものではありませんが、この代償の法則をよく表していると思えるので、ぜひ見てください。
パッとこの絵を見たときに、何の絵だと思ったでしょうか?
少女の絵に見えた方もいらしたでしょう。
老婆の姿に見えた方もいたと思います。
代償の法則とは、人生は本来プラスとマイナスを同量持っているということでしたね。
私たちの人生そのものが、このだまし絵のように、美しい少女のようなプラスの面(幸福の面)と、少し怖さを感じる老婆のようなマイナスの面(不幸の面)を最初から併せ持っているのだということです。
でも、この絵で少女が見えている時は、老婆の姿を見出すことはできません。
逆に老婆の姿が見えている時は、少女の姿を見出すことはできません。
私たちは一度に2つのことを思うことができないのと一緒で、一つの絵の中に二つの面が描かれていても、どちらかしか認識できないのですね。
人生もそうです。
どうしても幼少期につらい体験をしてきた人や、現在ただいま、人間関係で苦しんでいたり、仕事や病気、経済問題などでつらい思いをしている人は、マイナスの面ばかりが見えてしまっているはずです。プラスの面がないわけではないのです。でも、プラスを見る力が弱くなってしまい、過小評価してしまいがちです。
例えば、直属の上司との関係で、大きなストレスを抱えているとしたら、そこにばかり意識が向かうと、会社に行きたくないほど深刻になってしまいますね。
客観的には、他の人たちとはうまくやれていたり、仕事をこなせるだけの体力や健康に恵まれていたり、パートナーや家族がいてくれたり、働いているので経済的には安定を得ていたり、プラス面も十分あるのです。
でも、心がマイナス面にばかり向かい、老婆の姿ばかりが目に付くと、「でも、夫だってわかってくれない」とか「同僚たちは、話は聞いてくれても助けてはくれない」とか「こんなにつらいのに、この程度の給料では割に合わない」「夜だって眠れなくなってきている」など足りない方にばかり意識が向かってしまうことになります。
これでは、マイナスのエネルギーだけが潜在意識にたまっていきますので、人生そのものは、どんどん好ましくない方向に向かってしまうことになります。
ですから、何が大切になるかというと、一見嫌な出来事や不幸と思えるもののなかにも必ず別の明るい面、与えられている面はあるのだという視点。
つまり老婆を見る視点から、少女を見つけ出す視点を持つことがとても大切になります。
その苦しみ以外は、実際のところ、与えられているものがたくさんあるのです。
腰痛で苦しんでいるとしたら、腰以外の身体は、内臓は健康で、歩ける足はあるし、ご飯が食べられ、色々考えられるように脳は元気に働いてくれているのです。
私たちは、どうしてもいいことだけ人生に起きてほしいと願ってしまうのですが、この代償の法則を知ると、幸福案件に思えることも、不幸案件に思えることも、どちらもそもそも人生の両面としてあるのだという受け止めができるようになります。まさに少女と老婆の絵のように、同時にプラスもマイナスも存在しているのだということです。
まずは、自分の人生で老婆の面、マイナスの面ばかりが気になって悩んでいる時、本当は、少女の面、プラスの面や与えられているものが同じだけあるのではないかという視点に気が付くことが、とても大事になります。
失敗からも成功からも、教訓や感謝を見出す心の力
そして、さらに大事な視点、過去や現在の問題を振り返る上で、大切なことがあります。
過去のつらい出来事や、失敗や挫折は自分に何を教えようとしているのか、
それまで見えていなかったことで、気づきや教訓があるのではないか。
実は与えられているものがあったのではないか。
自分はこのことを通じて、どのように成長ができるのか。
こうした視点で、振り返った時、新たな気づきや学び、視点が得られて、老婆の面ではない少女の面、プラスの面が見えてくるようになります。
人生自体が少女と老婆を併せ持っているということでもありますが、つらい出来事だと思っている老婆の部分の後ろに、あなたを成長させるとても大事な学びや得るべき智慧(少女の面)が隠れているのだということでもあります。
苦難や困難が重なった時、私たちはどうしても受け止めきれず、失望したり、落ち込んで、そのつらさの中でもがき苦しんで、いつまでも抜け出せないような気持ちになってしまいます。
そのつらい感情や思い自体は、癒す必要があります。自分に起きていることをニュートラルに見られるようになる必要があるからです。
その上で、この出来事、この悩みは、自分に何を教えようとしているのか、何を学べと言われているのかを見つめていくと、私たちが抜け出したくてしようがない、苦しみや悲しみという困難の中にこそ、私たちを成長させるものがあることが実感できるようになっていきます。
それと同時に、感謝の気持ちがとても深まっていきます。
なぜなら、これを重ねていくと、過去の出来事全てへの見方が変わるからです。
あなたにとって、つらい過去の記憶も、現在の悩みも、その中には、必ずあなたを成長させる種子があり、あなたが人生から学ぶべき、教訓や知恵があったことに気づけるからです。
成功からは自信を、失敗からは知恵を得ることができると言われています。
そうした視点で人生を振り返ることができると、人生は、プラスのことからも、マイナスのことからも、その人の心を成長させるものばかりなので、過去のことも、現在のことも、全てを「感謝」に変えることができるのだということです。
もちろん、そこまでいくのはカンタンなことではありません。でも、私たちが本気で自分や自分の人生を変えていこうと思うなら、「できる」のだということです。
そこまでできると、そのように人を成長させるために、人生そのものがあるのだという、人智を超えた大いなる「愛」にも気づけるようになっていかれるかもしれません。
人生のプラスのことからも、マイナスのことからも学べたら、私たちの成長は本当に限りがないとも言えますね。
あなたが今、苦しんでいる問題を、老婆の面だけを見るのではなく、ぜひあなたを成長させるための明るい面、成長をさせてくれている面はないかという少女の面を見つけ出していきましょう。
このプログラムの後半は、これを見つけていくことができるようになっていますので、ぜひ取り組んでみてくださればと思います。
B 人生を変える「感謝ワーク」について
自己肯定感が低い、自信が持てない状態というのは、自分の価値や才能に対して、マイナスの感情や否定的な思いが強いものです。
実際の私たちには、プラスの感情や思いも当然あるのですが、お話したように、人は同時に2つのことを考えられないので、マイナスの感情や思いが強いときには、プラスを見る力が弱くなり、マイナス面ばかりを見がちです。
そうであるならば、自己肯定感を高め、よりよい人生にしていくためには、自分の中にある美しい少女の面、プラスの感情や思いに意識を向けていくということが、とても大事になります。
プラスの感情には、うれしい、楽しい、喜び、心地よい、わくわくする興味、明るい希望、安らぎ、自分への誇り、笑いたくなるような愉快、素晴らしいものや美しいものへの感動など、色々ありますが、ポジティブ心理学の研究の中で、最も私たちの人生を明るく豊かにするプラスの二大感情は、「感謝」と「愛」だと言われています。
最大のものは「愛」。これはすべてのポジティブ、プラスの感情をふくんだものといわれています。だからこそ、まずは自分や自分の人生を愛せるようになることが大事だということでもあります。
ただ、私たちが一番間違いやすいのは、この愛の思いは、「愛されたい」という愛ではなく、自分から差し出す「与える愛」のこと。
なぜなら、愛されたい思いは、充足感から出ているものではなく、不足感からくる思いなので、プラスの感情とは真逆だからです。「愛されたい」という欲求は、人から欲しい、人から奪いたいという思いだからです。
すでに愛を十分に感じている人が「愛されたい」と思うでしょうか。十分に愛されているという実感がないから、その不足感、欠乏感から「愛されたい」と思うのですよね。
「与える愛」の思いが出てくるためには、その前提として、自分の人生で、すでに多くのもの、多くの愛を与えられているのだという発見、明るく幸福な面の発見、これがどれだけできるようになるか、そして、そのことにどれだけ感謝できるようになるかが、とても大切になってきます。
多くのものをすでに与えられているという感謝があるから、すでに多くの愛を与えられ、生かされているという思いがあるから、人にやさしくできたり、何か人の役に立ちたい思いが出てくるのですね。
実は、日常生活の中にも感謝できることは満ち溢れています。私たちが当然だと思っていること、ご飯を食べられることも、歩けることも、働けることも、家族がいることも、人と話せることも、平和な朝を迎えられることも、本当は何一つ当たり前のことではないからです。失ってみたら、その大きさがどれほどのものであったかわかるのですが、私たちは、当たり前だと思ってしまいがちです。
こうした、本当はあたりまえでないこと、与えられていることの発見を通して、感謝の種を発見できるようになりましょう。
感謝ができるようになると、この「感謝」という波長はとても高いので、波長同通の法則によって、私たちの人生に、もっと感謝できるような、すばらしいことが増えていったり、感謝されることが増えたり、人生のステージが変化をしていくのです。
特に、今、悩みの渦中にある人ほど、自分に与えられているプラスの面を見られるようになるためにも、やってみる価値は大いにあります。
やり方は、とてもシンプルです。
1 感謝ノートを用意してください。 これは、携帯のメモ欄に書くより、ノートに書くことをお勧めします。 2 日付を書いて、毎日の生活の中で、感謝できることを3つ書いていきます。 心を込めて感謝できれば、なお良し!です。 |
これだけです。
もし、その日に書くことを忘れてしまったら、あとから思い出して書いてもいいですし、三日坊主になったら、また思い出した日から書けばいいです。
とにかく、毎日の生活の中で感謝を発見できるように過ごしながら、感謝できることを3つ、書いていくことを続けましょう。
3週間から1か月続けてみると、少しずつあなたの感じ方に変化が生まれてくるのがわかるはずです。
自分の人生にマイナスの(老婆の面)ばかりに意識が向かいやすい人ほど、意識して、一日に3つでいいので、プラスの面(少女の面)に意識を向けていきましょう。
※セルフワークで大事なことは、どれか一つでも、自分に合ったものを見つけ、できれば毎日コツことつと続けることが一番効果的で変化をもたらします。
私たちが心や体の状態を変えるには、3日、3週間、3か月が、一つの目安になると言われています。
そのために、色々なワークを紹介していますので、どうぞ、あなたに合ったものを見つけてみてください。
そして、自分に合っている、やれる、効果が感じられると思うものは、ぜひ三日坊主を繰返しながらも、続けてみることをお勧めします!
【おすすめのセルフワーク】
・「許しのワーク」に取り組めている人は、引き続き、これを行いましょう。 ・日々の中で、起きることすべてに「今は、○○でいいんだ」と許し続けることにチャレンジしてみてください。
・感謝ワークに取り組める人は、ぜひ取り組みましょう。 感謝ノートを用紙してください。 これは手書きをお勧めしますが、時間がないような方は、ケータイのメモを使っていただいても大丈夫です。 毎日、感謝の種を見つけようとしながら生活をしてみましょう。 そして、一日に3つでいいので、感謝できることを見つけて書いていきます。 その日に書き忘れても、次の日でもいいので、書き続けてみましょう。 まずは3週間を目指して!
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STEP7はここまでです。ようやくプログラムも半分を超えましたね。これまで頑張って読み続けてださっていることに感謝しています。
代償の法則は一見厳しいものに感じられるかもしれません。しかし、この法則を知ることで、無理に完璧を目指さず、穏やかな心で、バランスの取れた人生を生きることができます。『困難や挫折も自分に必要な経験だった』『失敗も成功もすべて必要なプロセスだった』と受け入れることで、安心感と自己肯定感が高まり、前向きに進む力が得られます。
STEPでご紹介するブライトライトワークは、「代償の法則(正負の法則)」を知っていただくことで、失敗や挫折、トラウマなどの不幸体験からも糧を得て、ご自分の成長に繋げていくことができるんだということを意図して、プログラムを作成しています。
どうぞ、あともう少し頑張ってみてくださいね。
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