自信がない人が「自己肯定感」を高める方法―STEP3

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心を見つめるために―認知行動療法的な見方から学ぶ

この「自信がない人が「自己肯定感」を高める方法」は、12ステップからなっています。まだ、STEP1とSTEP2をお読みでない方は、ぜひ、こちらを先にご覧になってください。

STEP1 心を癒しながら、自分の中に明るい光を見つける「ブライト・ライト・ワーク」

STEP2 癒えていない過去をリストアップしましょう 

 

さて、ここからはSTEP3に入らせていただきますね。

私たちが、自分自身を本当に受容し、肯定するためには、とても大切なことがあります。

それは、自分で自分の心を理解することです。

私たちが、誰かのことを嫌いに思ったり、怒ったりするときのことを考えてみてください。多くの場合、その人の言っていることや、やっていることが理解できなくて、相手を嫌ったり怒ったりしているのではないでしょうか。

私たちは、たとえその言動が好ましいものでないとしても、その人がなんでそういうことを言うのか、なんでそうした行動をとるのかが十分に理解できている時というのは、一定のレベルで受け止められるものです。例えば、小さな子どもが、いくらあやしても抱っこをしても、泣き止まないと、多くの人はいらだったりしますね。でも、その子が、体の具合が悪くて熱も出ていて、10時間以上もご飯を食べられずにいると知ったら、困惑することはあっても、かわいそうに思うのではないでしょうか。

つまり、同じ行動でも、相手がなぜそうしたことを言うのか、そうした行動をとるのかがわかれば、私たちはその人を受容することができるのです。

これは自分自身に対してもそうです。自分が好きになれない、ありのままの自分を受け入れられないという人は、結構いらっしゃいますが、それはなぜかというと、自分で自分のことが十分に理解できていないからです。いや、自分のことは自分が一番よく知っていると言われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。自分が本当は、何を感じ、何を思っているのか、何を願っているのか。自分の心をきちんと理解できている人というのは、驚くほど少ないものです。なぜなら、自分の心を見つめるという習慣を持っている人は、とても少ないからです。多くの方は、悩みはするし、グルグル思考も得意なのですが、では、自分が本当にはどのようなことを考え、どの様な感情や欲求をもち、どの様な価値観や信念、セルフイメージを持っているかについては、ほとんどわかっていないのではないでしょうか。

そして、心を見つめると言っても、そんなに簡単ではなく、表面意識(自分で理解できている意識)と潜在意識(自分ではわかっていない意識)があり、自分でも理解できていない潜在意識の方が90パーセント以上だと言われています。また、心には感性、知性、理性、意志、悟性と呼ばれている領域がありますし、「思考(認知)」ひとつとっても、反応的な思考やイメージもあれば、その奥には欲求、信念、価値観、自己認識(セルフイメージ)というものもあります。

このように、心を見つめるということが、古来から精神統一をしてなされるものであったのは、その奥深さからでもあったのでしょうが、私たちがまずは、自分の心をシンプルに見つめられるようになる入口としては、「認知行動療法」的な見方を、その入り口としてお勧めしたいと思います。

A  自分の「感情」「感覚」「思い(認知)」に気づきましょう

下記の図を見てください。

 

心理療法で最も有名な「認知行動療法」では、何かしらの出来事があった時に、私たちは、必ず何らかの「感情」「感覚」「思い(認知)」を持ち、そして「行動」をするのだと言われています。

心を見つめていくためのアプローチとして、まずは、何かあった時に、自分の心の中にどのような「感情」「感覚」「思考」が生まれるのかが、わかるようになることから、ぜひスタートして下さればと思います。

例えば、上司にミスを指摘されて「どうして、そんなに仕事ができないんだ」と強い口調で怒られたとしましょう。

起きた出来事も、できるだけ新聞記事と同じように、できるだけ客観的に書くようにします。

「いつものパワハラ上司が、私の小さなミスを見つけて、急に驚くような大声で怒鳴ってきた」では、客観的な出来事とは言えないのですね。

正確には、ミスを指摘してきた上司に対して、その人が「いつもこの上司はパワハラをしている」という「思い」を持っており、

指摘されたミスを、「小さなミスなのに」という「思い」を持ち、

上司が発した言葉に対して「なんでそんなに大声で怒鳴るの」という「思い」を持ち、

「驚く」という「感情」を持ったということになります。

始めのうちは、少しむずかしく感じられるかもしれませんが、「出来事」の中に、できるだけ「思い」や「感情」を入れずに、「客観的な出来事」として、書くようにしてみてください。

次の「感情」についても、自分の心にどのような感情がわいているのか、意外につかみづらいところがあるかと思います。どの様な感情があるのかを下記にご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。ただし、最初のうちはあまりむずかしく考えなくても大丈夫です。

 

            【 感情について 】

※日本語の特殊性や曖昧さから、「感情」と「思考」の違いが分かりにくい方もいらっしゃるかもしれません。「感情」はワンワード、「思い」は心のセリフなのでセンテンスになっていると考えると違いが分かりやすいです。

不安   恐れ   悲しみ   怒り   イライラ   むかつく   腹が立つ   憎しみ   恨み   寂しさ    孤独感    罪悪感   苦しみ   辛さ   驚き    ショック   焦り    嫌悪感   拒絶感   不快感   失望感    絶望感   緊張感    プレッシャー   無力感   無能感   後悔    徒労感   不満感   無念  虚しさ   恥ずかしさ   情けなさ  惨めさ   自信のなさ   諦め   軽蔑   嫉妬   劣等感    優越感   プライド    憂鬱    落ち込み   無気力   

 

次の「感覚」は、その出来事を思い返したり、嫌な感情を感じたときに、例えば、「のどもとがつまる感じがする」「胸がモヤモヤする」「みぞおちがギュッとなる」「肩がズシっと重たくなる」というように、嫌な気持ちが体の感覚を伴っていることがよくあります。怒りを感じたとして、その怒りがのど元のつまりとしても表れているような感覚があれば、それを書き留めていきましょう。

もし、特に感覚は感じられないというなら、今は空欄にしていただいて大丈夫です。

そして、「思考」は、漫画で言えば、吹き出しの部分ですし、小説で言えば、かぎかっこの中に書かれている「心のセリフ」の部分です。感情はワンワードですが、「思考」は、何らかのセンテンスになっていると思ってください。

B 実際の問題を取り上げて、「出来事」「感情」「感覚」「思い」を取り出してみましょう。

例えば、先ほどの例でいえば、「上司にミスを指摘され、『どうしてそんなに仕事ができないんだ』と強い口調で言われた。」というのが、出来事になります。

そして、「感情」としては、驚き、怒り、悲しみ、恥ずかしさ、みじめさがあったとしましょう。自分で思いつくものを全て書き出してみてください。そして、一番強い感情は何かも、わかるようにしておきましょう。ここでは、悲しみが一番強いので、悲しみに〇をつけています。

そして、出来事を思い返すとのどがつまる感じがあり、一番強い悲しみに焦点を当てたら、胸がギュッとなる感じがあったとしたら、それも書き留めておきます。

さらに「思考」としては「なんでそんなことを言うの」「やっぱり私はダメなんだ」という思いがあるとしたら、それを書きましょう。

心については、この「感情」「感覚」「思考」でいいですが、認知行動療法では「行動」も取り上げているので、一応行動欄には、結果どのような行動をとったかについても、書いてみてください。

ご自分のノートやワードに、自分で分かりやすく書いて下されば大丈夫です。できる方は、最近の出来事でもいいですし、STEP1で取り上げた出来事を客観的に書いて、「感情」「感覚」「思考」「行動」はどのようなものだったかを見つめながら、書いてみる練習をしてくださればと思います。

 

出来事

客観的に何があったか

感情 

不安、怒り等いくつでも。一番強いものに〇

感覚

○○が××な感じ

思考(認知)

心にわいた思い

行動

どんな行動をとったか

上司にミスを指摘され「どうしてそんなに仕事ができないんだ」と言われた悲しみ〇 驚き 怒り 恥ずかしさ 惨めさ胸がギュッとなる感じ のどが詰まる感じ「なんでそんなことを言うの」「私はやっぱりだめなんだ」部屋を出てから一人になって泣いた
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C TFTタッピングで解消していきましょう

 

【お勧めのセルフワーク】

 ・やれる方は、STEP2で取り上げた過去の出来事を認知療法的な見方で書き出してみましょう

 ・その出来事、感情、感覚、思考に意識を向けながら、STEP1で学んだTFTセルフケアタッピングを行いましょう。

あまりむずかしく考えず、タッピングをしてくだされば大丈夫ですが、ポイントは、その出来事を考えた時、自分にとって一番強いものに焦点を当て てみてください。

感情が強いなら感情に、出来事そのものの光景が強いなら光景に、許せないような思いが出るなら思いに、イヤな感覚が強ければ感覚に。

トントンしているうちに、意識に上がるものが変化して、次第にその出来事を思い返しても、リアリティがなくなり、距離が取れた感じがしてくるかと思います。

何度もお伝えしていますが、ここでも、無理だと思うものは取り上げないで、自分でもできると思えるものだけを取り上げていきましょう。

※やり方手順をマスターしていない方は、こちらの動画をご覧ください

 

さあ、今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。STEP3はここまでです。できる範囲でやれる方は、ぜひやってみてくださいね。

もし、ご質問などありましたら、2日以内をめどに、お答えできる範囲で返信させていただきますので、問合せのところから遠慮なくお尋ねくださればと思います。(携帯の方は、パソコンからのメールが届くように設定をお願いいたします。)

 

 

 

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