やさしいビリーブセラピーの★ゆきです。
あなたは、職場や家や友人関係で、こんなことで怒りやイライラすることはありませんか?
「なんでそんなことを言われなければいけないのか」
「なんで、細かいことまで口うるさく言われなくてはいけないのか」
「理不尽なことを言われて、腹が立ってしようがない」
「相手が間違っているのに、自分が責められてしまう」
「どうして、そんな信じられないようなことができるのか」
「信頼していたのに裏切られた」
「どう考えても納得がいかない」
「相手の態度にいちいちムカつく」
「顔を見るだけで、声を聴くだけで、イライラする」
もし、こんな怒りやイライラでお困りであれば、カンタンにできて、効果的な方法がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
怒りは抑えただけでは、なくならない?!
私たちが日々の生活の中で、色々な人との関係で怒りを感じたりイライラするのは、ある意味でとても自然なことです。
では、何がいけないのかというと、その怒りやイライラする気持ちを持ち続けたまま、ストレスとして心の奥底にため込んでいくことなのです。
怒りやイライラ、ストレスをため込むことは、私たちの心や体にとって、私たちの人生にとって、好ましいことではないからです。
怒りやイライラをためこむことで、肩や首筋が凝ったり、胃やおなかが痛くなったり、腰痛、眠れない等、身体的な症状となって現れる方もいます。
集中力がなくなり、憂鬱になったり、落ち込んだり、やる気が起きない、そんな心の問題として出てくる方もいるかもしれません。
あるいは、心や体には特にあらわれる訳ではないけれども、人間関係や仕事など、いつもこのパターンで人生がうまくいかない、失敗をしてしまう、という人生のパターンに出ている方もいるはずです。
特に、怒りやイライラを相手にぶつけてしまって、人間関係がむずかしくなったり、自分も怒ってしまったことに、自己嫌悪を感じるということは、多くの人が経験するのではないでしょうか。
そのために「怒りを抑える」方法とか、「イライラを抑える」にはどうしたらいいんだろうと思っている方も多いはずです。
確かに、怒りを感じた瞬間、イライラを感じている時に、それにうまく対処できる方法も必要ですが、それだけでは本質的な解消にはなりません。
なぜなら、怒りやイライラがその時の言動に出ないように抑えられたとしても、「抑えた」だけなので、自分の心からなくなってくれたわけではないからです。もちろん、抑えて我慢するだけでも、不適切に出してしまうよりはいいですけれども、本当の改善にはつながらないのですね。
そもそも、なんで怒りやイライラを解消する必要があるのでしょうか。
答えは意外とシンプルです。
怒りやイライラを毎日感じ続けていると、心に幸福感がないからです。
怒りやイライラを感じることがあっても、それをやさしく手放せるようになることは、心の穏やかさのためにも、体の健康のためにも、人生の幸福感のためにも、とても大切なことなのですね。
私たちが怒りを感じる時というのは、自分の方が正しいとか、自分の価値判断からすると相手が間違えていると思えるので、相手の言動が理解できずに怒りを感じることになります。
ところが、自分の怒りに正当性は感じているのだけれども、多くの場合、その怒りを感じている自分を「ありのままに受け入れている」かというと、そうではないことが多いのです。
赤ちゃんは「今泣いたカラスがもう笑った」と言われるくらい、今泣いて怒っていたかと思えば、すぐにお母さんが抱っこしてくれると泣き止んで、楽しいことがあれば、にこにこ笑ったりしますね。
赤ちゃんは、こだわりがなく、「今、ここに」生きているので、その瞬間怒りを感じていても、その感情を感じては、流し去ることができるので、次に楽しいことがあれば、屈託なく笑うことができます。
ところが、私たち大人は、怒っても抑えなくてはとか、どう考えてもあの人が間違っているとか、さまざまな価値判断が心に去来して、赤ちゃんのように、ただ、怒りの感情を感じては流し去る=解放するということが、できなくなっているのです。
実は、この怒りをありのままに感じ、川の流れのように「手放す」ためには、まずは、その怒りを感じていることを、自分自身が受け入れる必要があります。
自分のありのままを受け入れないと手放すことができないからです。
怒りを感じている自分も、ありのままの自分だと受けいれることで、心に許可が生まれ、安心して手放す選択ができるようになります。
心のコントロールというのは、単にネガティブな感情を抑えることなのではなくて、感情をシンプルに感じ、川の流れのように手放せるようになることだとも言えます。
でも、そんなこと、カンタンにできない!
どうしたら、そんなことができるのと思われる方も多いことと思います。
ただ意志の力で、それをしようとするのは、私にもとてもむずかしいことでした。
でも、あるメソッドに出合ってからは、それが本当に簡単にできるようになりました!
元々は、表には出さなくても、とてもイライラしやすい人間でしたが、今では怒りやイライラを感じること自体が、ぐ~んと減りました。
それでも最近は、高齢の母の介護のことで、感情が揺れたり疲れたりすることも出てきているのですが、そんな時も、何分かで解消することができています。
これからご紹介するやり方は、とてもシンプルです。
1分か2分でできてしまう、EFTというタッピングセラピーのやり方を中心にご紹介したいと思います。
これを身に着けてくだされば、カンタンに、ありのままの自分の感情を受け入れ、手放すことができるようになります。
特に日々の怒りやイライラで苦しんでいる方は、ぜひ、試してみてくださればと思います。
怒りやイライラがス~っと軽くなるEFTタッピングセラピー
EFTとは、感情解放テクニックと呼ばれている、アメリカで開発されたタッピングセラピーです。
EFTは、東洋医学のツボ(エネルギー)と西洋の心理セラピーが統合された、エネルギー心理学と呼ばれるものの1つです。
感情的問題に効果のある、顔や胸にある8つのツボをタッピングをして、身体内のエネルギーの流れを正常化させることで、怒りやイライラを解放することができます。
EFTでは、「身体内を流れるエネルギーシステムに混乱があるとネガティブな感情が引き起こされる」という考え方を基本にしています。
つまり、怒りやイライラ、胸がもやもやするなどの感情や感覚は、目には見えないけれどもネガティブなエネルギーなので、ツボへのタッピングによって、身体内のエネルギーが正常化されると、ネガティブな感情がニュートラルなエネルギーに変化していくので、感情の解消が起きるということです。
タッピングセラピーの原理や効果については、こちらに詳しく書いていますので、時間があるときにお読みくださいね。
私は、若いころから色々な心理療法を学んできて、EFTは、とにかくカンタンでありながら、感情的問題を解決するのには、一番効果が高いと実感しているひとりです。
簡単にどんなものかをまとめてみましたので、ご覧ください。
【EFTの特長】
1 シンプル カンタンな言葉と顔や胸にあるツボをタッピングするだけ
2 簡単にできる 1~2分でできる、子どもでもできる
3 変化がすぐに現れる 心や体がス~っと楽になる
4 過去の記憶に付着しているネガティブな感情や思いを解放できる
5 問題がニュートラルに見られるようになる
6 シンプルなのにパワフルな効果がある
1 シンプル
これがタッピングセラピーのいいところで、ただいやな気持ちを感じ、表現しながら、ツボを叩くだけです。
この本では、全部で10個のタッピングポイントをお伝えします。
2 簡単にできる
私は、よくクライアントさんに、トイレやお風呂場でやってくださいとお話します。
わざわざやろうとすると、どんなことでも難しく感じますし、後回しにしたくなりますね。
まずは嫌な気持ちが出てきたら、トイレに行って、タッピングするくらいの気軽な感じでいいのです。
1~2分叩くだけでも、心は少し軽くなりますし、子どもからお年寄りまでできます。
3 変化がすぐに現れる
心理的な問題でも体の痛みなどでも、ほとんどの場合、その場で効果が感じられます。
ちょっとした怒りやイライラであれば、何セッションかしてくだされば、ドンドン心身が楽になっていくのを実感できるはずです。
もちろん問題が複雑であったり、難しいケースの場合、専門家の手を必要とすることも当然ありますし、1時間くらいのセッションを何回も重ねなくてはいけないような問題があるのは確かです。
特に、特定の人から日常的に繰り返し辛い経験を重ねたような場合は、やはりセッションも繰り返す必要がありますが、それでも、必ず楽になっていくことができます。
ただし、その場で効果が感じられないという場合も、全くない訳ではありません。
時間差が起きる場合もあり、私の場合、どうしてもだけ頭痛だけはその場では解放が起きず、時間差があります。
頭痛薬も飲んでしばらくしないと効かないですが、あんな感じで、タッピングした時は、ほんの少しでも軽減することがなくて、(あくまでも私の場合です^^)数十分すると、気がつけば痛みが取れているという感じです。
あるいは、その日は楽になった気がしなかったのに、翌朝目が覚めると、もう嫌な気持ちが全くなくなっていたというようなことを報告してくださる方もけっこういらっしゃいます。
ですが、基本的には、適切にタッピングをすれば、変化をその場で実感していただけると思います。
4 過去の記憶に付着しているネガティブな感情や思いを解放できる
これは、EFTのもっとも得意とするところです。
現在のことであれ、過去のことであれ、その出来事にくっついている怒りやイヤな感覚、イメージや思いを一つ一つ意識していくことで、きれいにその時のネガティブなエネルギーを解放していくことができます。
5 問題がニュートラルに見られるようになる
私たちは、自分に起きた出来事を、客観的に見ているわけではなくて、どうしても自分の立場でしか、その出来事を捉えることができませんね。
たとえ同じ出来事であっても、それぞれの人がそれぞれの立場で、その人固有の色眼鏡をかけて見ていて、怒りを感じたり、イライラしているものです。
ところが、この嫌な感情や感覚が解放されると、先ほどまで見ていた感じ方が変化して、中立的な立場で見られるようになることが、非常に多いです。
ニュートラルに見られるようになるので、その問題に対して、どう対処したらいいのか、自分の中から自然に答えが見つかるようになるのです。
6 シンプルなのにパワフルな効果が感じられる
タッピングの素晴らしいことの一つに、ストレスケア、セルフケアとして、日常のちょっとしたいやな気持ちを解放するということだけではなく、このスキルをしっかり使いこなせるようになると、トラウマやPTSD等、深い心の傷の癒しや人生の問題解決ができるようになります。
EFTも、心を見つめる力があり、経験を重ねるほど、適切なやり方ができるようになるので、初めての方は、すぐにはそこまで効果を感じられないかもしれません。初級者の方は70~80%くらいの改善だと言われています。
自分の心を見つめながら、タッピングを習慣にしていると、自分でも気づいていなかった過去の苦しみや悲しみに気づき涙を流し続けて、深い癒しを得られる方もたくさんいらっしゃいます。
私自身、このアプローチが気に入っているのは、気になる問題を取り上げながらタッピングをしていると、潜在意識の方から、もっと深いところにある問題や感情、思いが上がってきて、気づきが深まるところにあります。それが自己理解や自己受容につながると同時に、解放も起きるので、どんどん自分の心が軽やかに自由になっていかれるのです。
そのためには、もう少し本格的な学びが必要になりますが、タッピングの可能性は、自分らしく生きられるようになりながら、希望の実現までできるのが魅力でもあります。
【全ての問題に試してみましょう】
EFTは、色々な問題の癒しや解決に使えるものです。
ストレス、不安、イライラ、怒り、心身の痛み、人間関係の悩み、仕事の悩み、
子育ての悩み、喪失感、トラウマ、PTSD、恐怖症、パニック、ダイエット、
恋愛・結婚・自己実現など
<感情的問題><身体的問題><習慣的問題><精神的問題> に使っていただけます。
やってみましょう―タッピングのポイントの紹介
ここからは、あなたの人生で、実際に怒りやイライラを感じた出来事を取り上げながら、進めていきましょう。
まずは、初心者向けの一番シンプルなやり方を覚えてください。
説明を読んでいただいてから、タッピングポイントの紹介と、EFTのカンタンなやり方についての動画がありますので、それを見ながら、やってみてくださいね。
【ポイントを覚えましょう】 (タッピングポイントを動画でご紹介しています)
まずは、タッピングの場所を覚えましょう。
タッピングの場所は、全部で10か所。
≪セットアップポイント≫ タッピングが効くようにするためのポイントです。
圧痛点 / 空手チョップポイント
≪タッピングポイント≫
1 頭のてっぺん
2 眉がしら
3 目の横
4 目の下
5 鼻の中央
6 あごの中央
7 鎖骨下
8 脇の下
【やり方手順】― はじめての方のためのカンタンバージョン
1 胸(圧痛点)を軽くさすりながら、具体的な問題、出来事を浮かべる。
2 空手チョップポイントを叩きながら、その問題や出来事に意識を向けた時、一番強く感じる感情や感覚は何かを探る
3 その感情の強さを、マックスが10、まったくないが0だとしたらいくつかを、主観的でいいので計る。
4 その感情を「この怒り」というように表現しながら、8つのツボをタッピングする。(2ラウンドが標準)
頭のてっぺん⇒眉がしら⇒目の横⇒目の下⇒鼻の中央⇒あごの中央⇒鎖骨下⇒脇の下
★解放したい出来事や感情に十分チューニングしていることが一番のポイント
5 空手チョップポイントをタッピングしながら、二度程深呼吸を行う
残っている感情を吐き出すようなつもりで、オーバーなくらいの深呼吸をすると効果的
6 その問題を浮かべて、先程の感情がいくつかを計る。
まだ残っていたり、他のイヤな感情や感覚があれば、そのイヤな感情や感覚に意識を向けながら、1~5を繰り返す。
EFTは、顔や胸にある8つのツボを叩いていきますが、その前の準備があります。
これが、心理的逆転という問題を修正するためのポイントで、「圧痛点」と、「空手チョップポイント」という場所です。
圧痛点は、サッカーの選手が国歌を歌いながら、胸に手を当てているあたり。利き手で、反対側の胸の一番高いところ、肋骨と肋骨の間をさすってみてください。他の場所より、少し気持ちがいい、痛気持ちよいポイントを探ってみましょう。
他のポイントはタッピングをしますが、ここだけはリンパ領域なので、さすります。
もう一つは、「空手チョップポイント」です。
これは、空手でカワラを割る時の場所なので、空手チョップポイントと呼んでいます。
小指の付け根と、手首の間のちょうど真ん中のところを、二本指でトントンと叩きます。
右手と左手の両方の空手チョップポイント同士を併せて叩くのもお勧めです。
8つのツボの実際の場所を確認したい方は、動画でご覧くださいね。
この8つのツボは、二本指か、三本指でただ軽く叩くだけでOKです。トントンと気軽に叩いてみてください。
優しく叩いても、強く叩いても、効果は同じですので、ご自分の好きな強さで叩きましょう。
この8つのツボは、東洋医学で言われている効果的なツボなのですが、細い鍼と違って、2本指や3本指で叩いていますから、よほどずれていなければ、ツボに刺激がいっているので、安心してくださいね。
EFTでは、ツボを叩くことに意識を向けていただくことは、全くありません。
そのことよりも、はるかに大事なことがあります。
同じツボを用いて施術をする針灸や指圧とは決定的に違うところがあります。
もし、あなたが、鍼灸師さんや指圧師さんのところに行ったら、「先生、右側の腰が一週間前からズキズキ痛くてしようがないんです」とだけ伝えれば、あなたは寝ているだけで、後は先生が治療してくれますね。
でも、タッピングは違います。
何が違うかというと、タッピングセラピーは、「消火器」みたいなもの。
もし、あなたの部屋の壁からボヤが出ていたら、どうしますか。
壁とは反対側の窓際に、消化器を向けてもダメですよね。
ちゃんとボヤが出ている、その火元に向かって消火器を向けるから、ボヤは消えてくれるのですよね。
タッピングも消火器と同じです。
タッピングのもっとも重要なポイントは、その問題にしっかりチューニングできていること。
意識が向けられていることです。
ですので、あなたが怒りを解消したいなら、怒っている出来事を具体的に思い出して、怒りに意識を向けることが大切なのですね。
怒りに意識を向けながらタッピングをすることで、まるでゴミが、ゴミ箱に捨てられるように、怒りが解放されていくのです。
と言っても、むずかしく考えないでくださいね。
怒りの場合、「この怒り」「この怒り」と言えば良いということですし、「むかつく」とか「腹が立つ」とか、自分の心の中にある気持ちを、ありのままに表現すればいいのだということです。
EFTのやり方
さあ、では、どうやるのか、具体的に説明をしていきましょうね。
EFTはとても簡単と言いながら、言葉を用いながらタッピングをしていくので、その言葉の用い方でうまく使えないと思ってしまう人がいます。どうか、言葉にとらわれすぎず、自分の怒りやイライラを口にしながらトントンすれば、まずはいいんだと気軽にやってみてくださいね。
初めての方向けに、少しだけハードルが高い「セットアップフレーズ」というものを用いないでできるやり方をご紹介します。
1 圧痛点をさすりながら、具体的な出来事を思い返しましょう。
ぜひ、あなたが最近感じた怒りやイライラした出来事を、取り上げてみてください。
今自分はどんな出来事に対して「怒り」を感じているのかを明確にしましょう。
この時のポイントは、「具体的」ということです。
大抵、怒りを感じることは、いつも同じ人や同じようなパターンで怒りを感じていることが多くないですか。
いつも、あの上司のキツイ言葉に腹が立つとか
いつも、夫の、妻のあの態度にイライラするとか
いつも、子どもが宿題をしようとしないので、腹が立つとか
いつも、母親に干渉されて、怒りを感じるとか
どうしてもいつものことだと、そのまま
「あの上司がムカつく」
「夫の態度にイライラする」
「子どもに腹が立つ」
「母親への怒り」というようにやってしまいたくなるものです。
でも、本当に効果を上げたければ、いつもでやってはダメなのです。
「あの日、あの時、あの場所で」の上司、夫、子ども、母親というように、いわゆる5W1Hのように具体的な出来事を思い浮かべるのが大切なポイントです。
「え~、そんなこと言ったら、毎日のことなんだから、何百ってある」と思われる方もいるはずです。
それでも、まずは具体的に、「3日前の、あの会議の場で」とか、「1か月前、飲んで帰って来た時の、あの夫の一言」とか「昨日の夜も、9時になっても宿題を終えていなかった」とか、
「高校受験の時、母親に反対されて行きたい学校を受験させてもらえなかった」というように具体的に取り上げていきましょう。
最初のうちは、気になる出来事から一つ一つやってみてください。
タッピングの素晴らしいところであるのですが、「波及効果」と言って、一つ一つやっているうちに、同じパターンの根っこが少しずつ解放され、問題が一気に解消される時というのが出てきます。
ですので、ぜひ、問題を取り上げる時は、具体的に「いつ、どこで、誰と、何があったのか」を明確にして、やってみてくださいね。
2 空手チョップポイントを叩きながら、その出来事を思い返した時、一番強い感情・感覚は何なのかを明確にします。
「怒り」が一番強い感情であれば、怒りでいいのですが、「悔しい」とか「ムカつく」「イライラする」など、別の言い方の方がぴったりくるなら、自分の心にピッタリくる感情表現を取り上げましょう。
また、怒りだけでなく、「喉がつまる感じ」とか「胸がギュッと締め付けられる感じ」など、どこか体の感覚に嫌な感じがあれば、それも感じ取ってみましょう。
その問題にある、一番強い感情や身体感覚をはっきりさせます。
3 一番強い感情や感覚が、マックスが10、全くないのが0だとしたら、その時の出来事を思い出して、「今」その感情はいくつでしょう。
主観的、直感的に感じ取ってみてください。
感情にしろ、数値にしろ、無理しないで、わかる範囲で感じてくだされば十分です。
※正式なEFTでは、1の出来事、2の感情、3の数値を明確にした後に、圧痛点をさするか、空手チョップポイントを叩きながら、セットアップフレーズを1回から3回言います。
初めての方にとっては、ここが少しむずかしいので、今回はセットアップフレーズを用いないやり方を説明しています。それでも感情の解放は起きるからです。
でも、やるなら最初からきちんとしたやり方を試したいという方のために、セットアップフレーズの作り方もご紹介しておきますね。動画では、この正式なやり方を説明していますので、できる方は、ぜひやってみてください。
【セットアップフレーズの作り方】
「たとえ○○でも、私は大丈夫」
この○○の中にあなたの問題で、一番強い感情やキーワードになる言葉を入れて、表現してみてください。
たとえば、怒りが一番強い感情なら
「たとえこの怒りがあっても、私は大丈夫」というように。
「たとえ、あの上司の言い方にむかついても、私は大丈夫」
「たとえ、子どもにイライラしても、私は大丈夫」
「たとえ、母親に腹がたっても、私は大丈夫」など。
本来のEFTの基本的な表現の仕方をすると、こんな感じです。
「たとえこの怒りがあっても、それでも私はありのままの自分を受け入れます」
「私は、理不尽な上司に怒りを感じるけれども、そんな自分を深くありのままに受け入れます」
こうした、自分をありのままに受け入れる肯定的言葉を口にしながら、圧痛点をさするか、空手チョップポイントを叩くことで(どちらでも自分の好きな方を選んでくださればOK)、ニュートラルで穏やかな心の状態、自己肯定感や自己受容感を強めていくことができます。
4 8つのツボをタッピングしながら、感情表現をしていきます。
標準は2ラウンドですが、気持ちが楽になるまで、続けてください。
頭のてっぺんを叩きながら「この怒り」
眉がしらを叩きながら「この怒り」
目の横を叩きながら「この怒り」というように、1つのツボを叩きながら、一つの感情表現をしていけばOKです。
この時の言葉も、むずかしく考えないでくださいね。
あくまでも大事なのは、その出来事にくっついているイヤな感情に意識が向かっていることなのですから、どんな言葉を言えば良いんだろうなんて、悩む必要はありません。
そこに意識をむけるための感情表現なので、シンプルに「この怒り」と言い続けてもいいし、その出来事を思い出すと自然と沸き上がってくるイヤな気持ちや思いがあれば、それを表現していけばいいのです。
もし、言葉にするのが難しいと思ったら、ただ「いやな気持ち」を感じながらタッピングをしてもいいのです。
とにかく、言葉にとらわれないでください。
自分にとって気になっている出来事や、いやな気持ちに意識を向けながら、叩く。
まずは、これでOKです。
5 二度程少し大げさなくらいの深呼吸をしましょう。嫌な感情を全て吐き出すようなつもりで深呼吸をすると効果的です。
深呼吸は、怒りの調整や心のコントロールには、最高のアプローチです。
トントン叩く時間がない時は、空手チョップポイントをしながら、深呼吸だけでもするといいですよ。
それくらい、深呼吸は、心身の滞ったエネルギーを緩めて、整えてくれます。
6 もう一度、圧痛点をさすりながら、その問題、出来事を思い出しましょう。
まだ、同じ感情が残っている場合は、もう一度1~5までを繰り返します。
もし、怒りはなくなったけれども、悲しみや情けなさ等、違う感情がまだある場合は、その感情を表現しながら、タッピングを繰り返しましょう。
大事なのは、その同じ出来事を思い出して、まだ何が残っているかをしっかり探ること。
感情や身体感覚、思い、相手の表情やイメージ等、まだ残っているものを感じ取って、十分に表現していきながら、解放することです。
セットアップフレーズを用いる場合は、
「まだ○○が残っていても、私は大丈夫」とか
「私は、まだ○○が残っているけれども、それでも自分をありのままに受け入れます」のように表現してみてください。
実際のやり方は、動画でも説明していますので、一度見ながらやってみてくださいね。
そして、怒りの奥には、たいてい別の感情が潜んでいるものです。それは、怒りの感情は二次感情とも呼ばれ、本当は一次感情としての「わかってもらえない」悲しみや寂しさや辛さや、不安があると言われているからです。
まずは、怒りやイライラを十分に表現して解放したら、その出来事を思い返して、「まだ何か別の気持ちがあるかな」「まだ何か残っている気持ちはないかな」と、自分の心に聞いてみてくださいね。
そうやって、出てきた気持ちや思いを十分に表現しながら解放すると、心は軽くなるはずです。ぜひ、試してみてください。
相手の理不尽さに対して納得がいかない時はどうしたら?
仕事上での上司や得意先、幼い頃の父親や母親など、力関係において上位にある者の理不尽な態度が許せないというようなことがあるかもしれません。
会社で、自分の責任ではないのに、上司の代わりに自分のミスとして、多くの人の前で叱責を受け非難されたとか、自分は何もしていないのに、ただお父さんの機嫌が悪いだけで、どなられ殴らてしまったというような場合
こうした理不尽さに対する怒りの場合、ただ「この怒り」「この怒り」とタッピングしても十分な解放が起きない時があります。
それは、相手の理不尽な態度に対して、頭のレベルでも心のレベルでも納得がいっていないので、本当は相手に言いたいと思うことが、たくさんあるからです。
この場合は、相手が目の前にいると思って、その人に言ってやりたいことを、全て口にしながら、タッピングをしていきましょう。
おかしいと思うこと、納得がいかないこと、相手への怒りや許せなさ、自分の辛さなど、全て、言いたいことは言ったと思うまでタッピングしてみてください。
その上で、その相手や出来事をもう一度思い浮かべてみましょう。
それでも、まだ出てくる感情や思いがあれば、ありのままに表現しながらタッピングを繰り返します。
相手の表情や、言われた言葉などがまだ心に残っているようであれば、その表情のイメージや言葉も口にしながら、感情表現をしていくといいでしょう。
例えば、相手の嫌な目つきと共に「お前みたいにダメな奴はやめてしまえ」と言われた言葉がまだ残っているとしましょうか。
そんな時は、
「あのイヤな目つき」「冷笑するようなあの目つき」「気持ち悪い」「目を合わせたくない」
「お前みたいにダメな奴は辞めてしまえって」「冗談じゃない」「許せない」「あの言葉」「あの怒鳴り声」「怖い」
というように、何度でも自分の心の中にあるものを表現していけばいいということです。
理不尽さに対する怒りについては、タッピングをしながら、その納得のいかない思いも十分に表現していきましょう。
そうすることで、心は落ち着いて、その状況の中で、少なくともどうすればいいか、ニュートラルに考えられるようになります。
別の見方ができるようになったり、冷静に問題を捉えられるようになるので、「こうすればいい」という知恵や工夫、どう対処したらいいのか、打つべき手や対処の仕方が明確になったり、自分としての関わり方の答えが浮かんできたりします。
EFTは、まずは、感情や体のイヤな感覚を十分に表現することが大切です。でも、こうした思いの部分で納得がいかないときは、トントンしながら、そのまま納得のいかない思いを次から次へと表現していくことで、心に穏やかさを取り戻すことが無理なくできるようになります。
ぜひ、試してみてくださいね。
最後に
EFTは、慣れてしまえばとてもカンタンですから、会社の休憩時間、トイレに行く時間、そんな1~2分を使って、トントンするだけで楽になりますので、むずかしく考えないで、気軽にタッピングをしてみてください。
ご自分の中にある感情を握りしめてしまわずに、持ち続けるのではなく、もう流しさろうとするだけです。
一日の中で、1回でも2回でも、気楽にやって見てくださいね。
その日にあった嫌なこと、まだ心にかかることがあったら、お風呂やシャワーを浴びる時などを使って、その時の出来事を思い出しながら気軽にトントンしてみてください。
それだけで十分にイヤなエネルギーは流れてくれますし、ストレスがたまるということがなくなります。
また、中には、ポジティブシンキングを学んでいる方の中には、ネガティブな表現をすることに抵抗感を感じる方がいます。
でも、どうぞ、安心してください。
ネガティブな言葉は、ただグチや不平不満のように言葉にすれば、確かに周囲にゴミをまき散らかすような行為です。けれども、一人でトントンしながら、ネガティブな感情や思いを表現するのは、心のゴミを適切にゴミ箱の中に捨てる行為です。
つまり、ポジティブシンキングとは、心の中の感情や思いも含めて、肯定的で積極的であることが大事なのですから、なおさらのこと、ご自分の心の中にあるネガティブな感情や思いはそのままにはせず、きちんと解放して、よりよい感情や思いに変えていくことです。
ですので、美しい心を取り戻すためにも、タッピングをしながらであれば、「こんなことを言ってはいけない」「思ってはいけない」と思わず、どうぞ、安心してご自分の中にある怒りや憎しみを赤裸々に表現して、解放していただけたらと思います。
私たちは、自分の心や体や人生を、もっと軽やかに、しなやかに、自分らしく生きることができるのだということです。
また、EFTの感情の解放の仕方をお伝えしてきましたが、中には感情を感じ、表現すること自体が、少しむずかしいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、
こちらのサイトや動画も見てくださいね。全く言葉を用いないでできるSFTタッピングをご紹介しています。
イライラや怒りを感じている、その時に活用できる対処法について、こちらでご紹介をしています。
こちらも、ぜひ、活用してみてくださいね。
また、怒りの奥深い原因には、その人固有の価値観や信念という、ビリーフと呼ばれるものがあります。このブリーフが人によって異なるので、同じ出来事や問題であっても、怒る人と、怒らない人がいるのですね。このビリーフへの対処の仕方は、怒りのマネジメントの上ではとても大切なことなので、そのことについても、改めて取り上げていきたいと思います。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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