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挫折感や失敗感から、自信が持てなくなってしまった人へ
今回は、自分に自信を持つ方法の2回目です。
自分の「価値」を信じられないという方で、まだ一回目を読んでいらっしゃらない方は、ぜひこちらもご覧くださいね。
さて、自分に自信を持てない方の中には、学生時代の部活や受験・進路の失敗、失恋や離婚など人間関係での葛藤、社会に出てからの仕事上や恋愛、結婚などの挫折感や失敗感が原因となって、自分への自信を失ってしまったという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に若い頃の、初めての挫折や失敗体験は、その人の心に大きな影響を与え、そこからなかなか立ち直れないまま、後悔や自責、罪悪感などに繰返し襲われ、以降、自己不信や自己否定など自分で自分を信じられなくなってしまった人も多いのではないかと思います。
私も、高校時代の挫折から、自己不信に陥って、あがき自己否定の塊になって、模索し、迷走し、ようやく少し抜け出せたと思えるまでに10年の月日が必要でした。ただ、この時のことがきっかけで、後に心理療法や精神世界、宗教などを真剣に学び、求めたので、無駄なことは何一つなかったのですが、若いときは、やはり大きなレールを踏み外したような欠落感や自己否定、罪悪感でいっぱいの日々を送っていました。
こうしたときは、挫折や失敗体験を通しての自分の中に生じたマイナスの感情や思い、自己否定や自己不信、失望感、喪失感、罪悪感、不安や焦り、悲しみや怒りなど、たくさんの感情や、「私はダメ」「私は許されない」「私は価値がない」「私は劣っている」「他の人はちゃんとできているのに」「他の人にどう思われるか」など、色々な思いが去来するはずです。まずは、こうした心の痛みや傷つき、自責の心などを丁寧に見つめ、癒していくことから始めましょう。
ビリーブセラピーでは、そのことを思い出すだけで、出てくるさまざまな感情や思いをEFTやTFTというタッピングセラピー(エネルギー心理学)で十分に開放していきます。
そうすると、嫌な過去がいい過去になるわけでは決してありませんが、その過去の辛い出来事が、現在の自分に影響を与えるようなものではなくなり、「ただの過去」になってくれます。
つまり、過去の出来事がニュートラルに見られるようになっていきます。
その上で、この挫折や失敗体験を通して、自分に作ってしまったビリーフ(思い込み)があれば、どんなビリーフを作り、あるいは強化してしまったのかを探っていきます。
「○○した自分はダメ」「自分は何もできないサイテーな人間」「自分は出来が悪い」「自分は能力がない」「自分はレールを踏み外した」など、その人にとってなじみのある思い込みが、すでに出来上がっているはずです。これに対して、本当にそうなのか、自分で自分の思いを「疑ってみる」、「反論していく」ということを行っていきます。このやり方は「ABCDE理論」や「ビリーフチェンジ」などの手法としても有名ですが、ビリーフを切り崩していく方法として有効です。
その上で、挫折や失敗をした自分、許せなかったり、自己否定をしたり、自責・罪悪感を抱えている自分、自信を失ってしまった自分、何もやる気がなくなってしまった自分など、どんな自分も、どんな感情や思いも、全てを受け入れ、許す、全てに許可をだしていくことがとても大切になります。
「失敗してもいいんだ」「挫折をしてもいんだ」「罪悪感があってもいいんだ」「サイテーな自分でもいいんだ」「ダメな自分でもいいんだ」というように。
長い間、自分を責め続け、自分を許さないでいた極端なありようから、この許可が与えられるようになると、過去の自分、その影響を受けてレールから外れてしまったような現在の自分も、少しずつ受け入れられるようになっていきます。
失敗や挫折を経験していない人など、本当はこの世に1人もいないはずです。
もし、自分は失敗したことがないという人がいるとしたら、それは、何も人生でチャレンジをしたことがない人であるかもしれません。
よりよい人生を生きたいと理想や目標をもっている人ほど、願えば願うほど、努力すればするほど、失敗や挫折は必ず現れてきます。
理想を追い求める人や、目標に向かって頑張る人にとって、失敗や挫折はつきものであるのです。決して、あなたの能力が足りないからとか、あなたがダメだからなのではないのです。
問題は、この時に、この挫折や失敗を通して、自己否定や自己不信だけを募らせてしまうのか、逆に、この挫折、失敗は自分に何を教えてくれようとしているのか、この経験を通して、何が学べるのか、自分はどう成長できるのかと考えられ、自分の糧や知恵が得られるようになるのか。ここが大きな分岐点になるのです。
全てはここにかかっているのです。
成功からも失敗からも学べる「代償の法則」
あのエジソンは発明において何千回と失敗しても、このやり方ではダメだということが分かったと受け止め、さらに努力し続けたと言われています。ある時は、研究に使っていた建物が火事になり、全焼してしまった時でさえ、きわめて穏やかに、子どもたちにも、このような経験はできるものではないからよく見て置くようにと話していたといいます。エジソンが、たとえどんなことが起きても、その起きたことからいつも学ぼうとしたように、実は、私たちにとっても失敗や挫折の経験から得られるものは、とても大事な「智慧」や「教訓」になるのですね。
成功体験からは「自信」が得られ、失敗体験からは「智慧」が得られると言われますが、失敗からも成功からも、どちらからも、私たちは学べるものがあり、恩恵があるのだということです。
皆さんは、「代償の法則」とか「正負の法則」という言葉をご存じでしょうか。
「人生にはプラスもマイナスも同量ある」、「幸福も不幸も同量ある」という人生の法則です。10の幸福やプラスがあったとしたら、不幸やマイナスの面も10あるのだということ。
とてもシンプルな法則ですが、人生を考える上で、これを知っているのと知らないのとでは大きな違いが生まれてしまいます。
その一見、悪く見えることの中にも、そこに隠されているプラスがあるということだからです。そこに隠れているプラスの面、明るい面をいかに見つけ出せるか、いかに宝を見つけ出せるかが大事なのだということでもあります。
失敗や挫折、苦難や困難と呼ばれるような経験は、確かに苦しいですし、できれば避けたいと誰もが思いますね。ただ、人生を振り返ってみて、どんな時が一番自分が成長したかを考えると、自分にとって最も困難な状況や苦しい出来事があった時、それを乗り越えたときが、一番私たちを成長させてくれたのではないでしょうか。
偉人と呼ばれている人で、過去に困難や苦難がなかった人はいないといえるほど、大変な人生の中で、その方にしかない素晴らしい人格と人生を築いていかれた方ばかりだとわかります。
あなたにとって、人生を揺るがすほどの、失敗や挫折、困難があったとして、そこでの感情的な傷つきや辛さを癒したら、次にすべきことは、この出来事、この挫折や失敗から、何を学べと言われているのかをじっくり考えることです。必ず、この経験を通してあなたが成長できる大切な学びや気づき成長の種があるはずなのです。そこから教訓や知恵を得て、現在から未来に向かってまたリスタートしていかれたらいいと思いませんか。
アコヤ貝が、苦しんで美しい真珠を創りだすように
実は、今回お話をしてきたようなアプローチを丁寧に行っていくのが、ビリーブセラピーで提供している「心を癒しながら自己肯定感を高める個人セッションプログラム」―ブライトライト・ワークでもあります。
これは、私自身が、がんになったり、仕事がとん挫したり、自分がこれだけは自分を信じられると思ってきた自分の使命感のようなものに揺らぎが生じて、最も苦しくなった時に、これまであったプログラムをリニューアルして作ったプログラムです。自分で自分を救うためのプログラムでもありました。
このアプローチを中心にして自分のその時々の問題を取り上げながら、今一度本来の自分自身を取り戻し、これまで見えていなかった自分のすばらしさや課題も明確にすることができるようになりました。そして、この自分の苦しさを救い出せるプログラムなら、多くの人の役にも立てるのではないかと、プログラム化して、皆さんに提供させていただくようになったのです。
Yさんには、どうしても成功させたい仕事がありました。そのために長年努力をしてきたし、少々のことがあっても乗り越えて頑張ってこられました。ところが、仕事の状況はなかなか好転していかず、結局、資金繰りが厳しくなってとん挫、ご本人も体調を崩して、その仕事から撤退しなければならなくなってしまいました。
Yさんの場合、経済的に厳しくなり、病気になってしまったこと以上につらかったのは、自分は「結局何をやってもダメなんだ」という自己不信に陥ってしまったことだったようです。プチうつのようになって、眠れなくなり、もう何をやってもダメなのではと自信を失ってしまい、無気力な状態から何とか抜け出したいと、ビリーブにおいでくださいました。クリニックでは薬は出してもらえても、これでは問題は解決しないと思われたそうです。
眠れないとのことでしたので、脳のデトックスに効果のあるアクセスバーズを受けていただきながら、Yさんの中にある、失望感を中心に、自己否定や自己処罰の思いを解放し、まずは眠れるようになっていただきました。
体が整わないまま、心だけを整えようとしても、どうしても無理があるからです。
その後、少しニュートラルにご自分の状態を見られるようになってから、今回のことで「自分は何をやってもダメ」「自分を信じられない」「もうすべてのことから逃げたい」思いを取り上げ、十分な感情開放も重ねながら、自分の中で強まったビリーフに対して、反論をしながら、受け止め方の修正と新たなビリーフを自分のものにしていかれるようサポートしていきました。
そして、Yさんにとって、転換となったのは、この間のあらゆる自分、自己不信に陥ってしまった自分、仕事で失敗をしてしまった自分、経済的にも周囲に迷惑をかけた自分、罪悪感、自責の念、自己否定・自己処罰の思い、逃げたい思いなど、あらゆるネガティブな状況も思いも感情も、全て徹底的に「今は○○でいいんだ」と自分に意識して「許可」を出し、許しを与えられるようになったことでした。
心も体も少しずつ、本当の意味で休めるようになりました。それまでは、体が動かず、部屋で横になっていても、罪悪感があり、そんな自分を心では許していないので、本当には休めていなかったのです。
でも、「今は休んでいいんだ」という許可を与えることで、体が緩み心が軽くなって、外から見たら同じようにソファに横になっていることは変わりはないのですが、ご本人の中では本当の意味で休めるようになっていきました。たとえそんな自分に対しても罪悪感が出たとしても、その罪悪感もまた「今は罪悪感があっていいんだ」と許すことで、心にバランスが戻ってきたのです。
「頑張らなくちゃいけない」と思い込んで頑張りすぎるほど頑張っていた極端から、どんな自分も許して休んでいいんだという、もう一方の極端を十分に味わうことで、Yさんにとって無理のない、今の自分らしいあり方や、望ましい状態というのが見えてくるようになりました。
仏教の言葉で「中道」という言葉がありますが、両極端を知ったうえで、両極端から離れ、中なる道を選びとっていくというようなあり方のこと。この中道に入ることが、一番その人が発展できる道なのだと言われています。
Yさんにとっても、自責や自己否定を抱きながら頑張り続けるという、片側の極端な自分だけで生きてきたのが、どんな自分も受け入れ、許しながら、休むことを受け入れると云う反対側の極が体感できたことは、自分の中のバランスを取り戻すことに大きな効果がありました。
私は、まずは1か月、徹底的に、どんな自分も許してあげてみてくださいとお伝えしたところ、Yさんはまさにそれを実践されて、心のバランスを取り戻されて行きました。
そう、休むときは安心してゆっくり休むことができるようになったので、自分で自分のお尻を叩かずとも、やる必要のあることに対して心も体も無理なく動けるようになっていきました。
そこで、今回のことで何が学べたのか、何に気づいてどのように成長に繋げていけばいいかという次の課題に入っていきました。
私たちにとって、苦難や困難、挫折や失敗は、当事者にとっては悪いことにしか思えないものですが、真実は、この時が一番真学べる、成長できるチャンスでもあります。
あのアコヤ貝が、粘液を出して出して、最後にはあの美しい真珠を生み出すように、
たとえ苦しくても、その苦しみの代償は、その人にとって、とても大切な気づきや知恵、未来につながるような成長の糧が恩恵として与えられるのです。
Yさんにとっては、この個人セッションプログラムを通して、自分が自己処罰や自己否定の思いが強いことに改めて気づかれたようです。そうした自分から脱却するためにも、「自分を信じる力」だけでなく「自分の仕事への確信を持つ」ことの大切さと、今できる最善を尽くしながらも、結果に関しては、「もっと大いなるものに委ねる気持ち」「心を開いて人の協力を得ていくこと」の大切さに気づいていかれました。
「誰にも頼れない、頼ってはいけないと自分を縛ってずっと生きてきて、どこかで目に見えない力が自分を助けてくれるような思いも持っていながら、そうした力に委ねることはできずに、いつでも「自分が」「自分が」と空回りしていたんだと思います。」
プログラム中に読んだ、ノーマン・ヴィンセント・ピール先生の「積極的考え方の力」(ビリーブセラピーの推奨本でもあります)に書かれていた「言葉の力」を利用して、「大いなる力と共にいる私は、なんでもできる」と繰り返すことで、「もう一度、一から始めればいいんだ、何度でもやり直しができるんだと思えるようになったら、怖くなくなりました。」とYさんは話してくださいました。
体の調子も戻り、家族関係も再び穏やかさを取り戻して、感謝の言葉が端々にあらわれるようになったYさんは、これまで固定観念のように持っていた仕事に対する限界突破ができたと、ご自分が本当にやりたいと思える分野での仕事で、リスタートされていかれました。
もし、今、あなたも失敗や挫折に苦しんでいらっしゃるとしたら、そこから何を学べと言われているのか、どんな気付きや成長が得られるだろうかという視点で、ぜひご自分の心を見つめ、問いかけてみてくださればと思います。
必ず、あなたにとって大切な学びは気づきが隠されているはずです。
第三回目の「自分に自信を持つ方法」は、完全主義的傾向の強い方のための自信の持ち方を取り上げてみたいと思います。
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